5月の北海道、晴れているのに肌寒い空気の中。街灯のないキャンプ場で見上げた星空が、思いのほか鮮明だったのを覚えています。
旭川市街地から車で20分。カムイの杜公園キャンプ場は、ファミリーキャンプ場として有名な場所です。だからこそ「ソロには不向きでは?」と思って敬遠している人も多いはず。
でも実際に使ってみると、駐車場の選び方と”裏公園”の存在を知っているソロキャンパーにとっては、コスパも雰囲気もかなり優秀な選択肢でした。今回はファミリー人気のこの場所を、ソロでどう使い倒すかという視点でレビューしていきます。
※この記事は5月のデイキャンプと、施設の最新状況を確かめるために訪れた8月の再訪、2回分の取材をもとに書いています。写真に春と夏が混ざっているのはそのためです。
①基本情報
まずは基本情報をまとめておきます。事前に押さえておくと当日の動きがスムーズになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 予約 | 不要(先着順・事前場所取り不可) |
| オープン期間 | 4月上旬〜11月上旬(ゲート閉鎖は11月上旬〜4月上旬) |
| ゲート開閉 | 8:00開放/17:00閉鎖 |
| 受付場所 | 森のふしぎ館(体験学習館) ※入場前に受付を済ませること |
| 受付時間 | 宿泊 11:00〜17:00 デイキャンプ 9:00〜17:00(7・8月は19:00まで) |
| 利用時間 | 宿泊 11:00〜翌11:00 デイキャンプ 9:00〜17:00 |
| 料金 | 【個人使用】 宿泊:大人300円・高校生200円 デイキャンプ:大人200円・高校生130円 【サイト使用】 宿泊:テント・タープ各1張500円 デイキャンプ:各1張300円 ※中学生以下無料 |
| 収容 | 4〜5人用テント 概ね100張 |
| 売店 | もりのふくろう売店 (11:00〜15:00・土日祝&お盆営業)/自販機あり |
| 住所 | 北海道旭川市神居町富沢 |
| 電話番号 | 0166-63-4045(カムイの杜公園体験学習館) |
| サイトタイプ | フリーサイト(芝生) ※キャンプエリア/デイキャンプエリアに区分 |
| 車乗り入れ | 荷物の搬出入時のみ体験学習館前まで可 (搬入後は速やかに駐車場へ)/リヤカー8台 |
| 駐車場 | 無料(163台・42台・臨時あり) ※キャンプ場を利用しない車中泊での駐車場利用は不可 |
| 焚き火 | 不可(たき火・直火・打上花火禁止)/灰捨て場あり |
| ゴミ | 専用ゴミ袋 20ℓ 50円 (購入者のみゴミガレージ利用可) 回収 10:00〜11:00・16:00〜17:00 |
| ペット | 放し飼い禁止。 糞尿・鳴き声などで他人に迷惑をかける場合は同伴不可 |
| 連泊 | 7日まで。 芝生の枯損を防ぐため概ね3日ごとにテント位置を変更 |
| その他 | 夜10時就寝/夜9時以降は外遊び禁止 スピーカー・カラオケ・発電機の使用禁止 |

料金でひとつ押さえておきたいのが、人数分の料金とサイト使用料が別々にかかること。ソロでデイキャンなら大人200円+テントかタープ1張300円で500円、宿泊なら300円+500円で800円。それでもじゅうぶん破格です。
なおテント・タープ・スクリーンはそれぞれ1張ずつ料金がかかります。タープの下に1人用テントを収めれば1張分ですが、離して張ると2張分。ソロでタープも使う人は覚えておくと会計で驚かずに済みます。

②キャンプ場の雰囲気|「寂しすぎない田舎感」が魅力
カムイの杜公園キャンプ場の魅力をひと言で表すなら、「寂しすぎない田舎感」。周りは山に囲まれていて自然たっぷり、けれど人もそれなりに来るので完全な一人ぼっち感はない。ソロキャンプ初心者や、「静寂よりほどよい人の気配が欲しい」というタイプにぴったりです。

夜になると街灯がほぼないので、晴れていれば星空が綺麗に見えます。これは旭川市内のキャンプ場としてはかなり貴重なポイント。

③独断と偏見の評価
5段階で各項目を採点しました。総合は平均4.0点。ロケーションとサイトの広さが突出して高く、静かさは季節で差が出るのが特徴です。

レーダーとスコアバーの通り、ロケーション・サイトは満点クラス。一方で静かさは夏場のファミリー利用で下がる季節型、トイレは清潔ですが設備は標準的です。詳しくは次の施設紹介で解説します。
④施設紹介|ソロが知っておくべき駐車場の裏ワザ

受付は「森のふしぎ館」で
キャンプ場に入る前に、必ず森のふしぎ館(体験学習館)で受付を済ませます。デイキャンプは9時から、宿泊は11時から。受付を飛ばして設営すると後で戻ることになるので、着いたらまずここへ。

フリーサイトは広くて隣と距離が取れる
サイトは芝生のフリーサイト。かなり広く取られていて、混雑時でも隣との距離をしっかり確保できます。芝生は手入れが行き届いていて水はけも良好。ただし朝露で下がしっとり濡れるので、テント下にグランドシートを敷くか、マットを使うのがおすすめです。
大型遊具の「フクロウの公園」があるのでファミリー利用が中心ですが、サイトは広いので公園からしっかり離れた場所に設営すればソロでも快適。エリアは「キャンプ(宿泊)エリア」と「デイキャンプエリア」に看板で分かれているので、目的に合わせて場所を選びます。
木陰が少ない場所ではタープが効く
5月のデイキャンでは、日差しと急な雨に備えてDODの「チーズタープM」を一枚張った。北海道の5月はこれが正解で、日中の強い陽射しも夕方のパラつく雨も、一枚あるだけで過ごしやすさが段違い。木陰のないエリアを選ぶなら、ソロでもタープはあったほうが快適に過ごせます。

駐車場は「もう一つの入口」を使うべし
ここが今回いちばん伝えたいポイント。カムイの杜公園には駐車場が2つあって、ソロで使うなら正面の駐車場ではなく、もう一つの入口側(42台分)を選ぶのが正解です。
正面駐車場から入ると、まず受付(森のふしぎ館)を経由してから大型遊具エリアの近くを通ることになります。一方、もう一つの入口から入ればフクロウの公園から離れた静かなエリアにすぐアクセスできる。ファミリーの賑わいから距離を取りたいソロにはこっちが圧倒的に快適です。
とはいえ、受付とリヤカー置き場は正面側にあるので、結局は歩くことになります。受付→荷物搬入→駐車場移動→設営という動線になるので、リヤカーは必須。荷物が多い人は事前に整理しておくと楽です。

なお車は原則乗り入れ禁止ですが、荷物の搬入時だけ体験学習館前まで一時的に入れます。降ろしたら速やかに駐車場へ移動を。ちなみにキャンプ場を利用しない車中泊目的での駐車場利用は断られるので、車中泊派は注意。
ただ、この「歩く」工程も含めてキャンプの楽しみ。慣れてしまえば気になりません。
トイレは清潔、ただし設備は標準的
トイレは清掃が行き届いていて清潔感があります。ただしウォシュレットはなく、洋式と和式が混在する標準的な公共トイレ。神経質な人は事前に把握しておくといいかもしれません。

炊事場は屋根付きで使いやすい
炊事場は屋根付きで、天板も広く取られていて使いやすい。雨の日でも調理できるのはありがたいポイントです。

焚き火は不可、でも灰捨て場はある
焚き火・直火は禁止なので、火はガスコンロかBBQコンロで。炭を使った場合は灰捨て場が用意されているので、そこへ捨てて帰ります。

ゴミは専用袋を買えば捨てられる
ゴミは受付で専用袋(20ℓ 50円)を購入すれば、キャンプゴミステーションに捨てられます。袋を買っていない場合は持ち帰り。回収は10〜11時と16〜17時なので、時間を外すと受付へ持ち込むことになります。


知る人ぞ知る「裏公園」の散策コース
ここからは公式情報には載っていない、ソロキャンパー必見の裏ワザ情報です。
大型遊具の公園とは反対方向に歩いていくと、「裏公園」と呼べそうな知られていないエリアがあります。畑のような景観が広がっていて、訪れる時期によって見える風景が変わるのが面白いところ。
入口は凸凹の坂道。そこを登っていくと、足元の感触がだんだん未整備ならではの凸凹さに変わっていって、一歩ごとに自然味が増していきます。歩きながら、賑やかなキャンプ場の音がスーッとフェードアウトしていくのが分かる。気がつくと、聞こえているのは風で葉が擦れる音だけ。

面白いのは、匂いはほとんど変わらないのに音だけが一気に切り替わること。人工的な空気から自然の空気へ、境界線をまたぐような感覚で、なぜか懐かしさが湧いてきます。「ソロキャンプに来た理由って、こういう瞬間のためだったな」と思い出させてくれる場所です。

キャンプサイトから歩いて約5分でアクセスでき、一周するとざっくり1時間ほど。フクロウの公園からはだいぶ離れているので、子供たちの賑わいから完全に切り離された空間で自然の声に耳を傾けられます。
ソロキャンプの「ひとり時間」を満喫したい人には、ここを散策する時間を組み込むのを強くおすすめします。
裏公園を歩くときの注意点
- 道は未舗装。サンダルだと歩きにくいので、スニーカーかトレッキングシューズで
- スズメバチがそこそこいる。黒い服装は避ける、香水をつけない、見かけても刺激せず静かに離れるのが鉄則。スズメバチには市販の虫除けスプレーはほとんど効かないので、頼るより「近づかない・離れる」が一番の対策。気になる人は携帯用スプレーを念のため忍ばせておくと安心、くらいの位置づけで十分です
- 畑エリアなので、季節(春先・夏・秋)で表情ががらっと変わる。何度行っても飽きない
⑤周辺施設|買い出しと温泉は事前に済ませる
買い出しは事前にスーパーで
キャンプ場周辺にはコンビニもスーパーもありません。園内に「もりのふくろう売店」がありますが、フライドポテトやアメリカンドッグなどの軽食中心で、キャンプの食材は揃いません。買い出しは現地に向かう前に必ず済ませておくこと。

動線としては「市街地で買い出し → 温泉 → キャンプ場でゆっくり」の流れが鉄板。お酒を飲み始める前に外の用事を全部終わらせる、これがソロキャンプの安全運用です。

温泉は「高砂温泉」と「万葉の湯」の2択
近くにある温泉は2つ。気分や時間帯で使い分けられるのが便利です。
| 温泉 | 特徴 | 営業時間 | こんな日に |
|---|---|---|---|
| 高砂温泉 | 湯の種類が豊富 | 6:00〜23:00 | いろんな湯にじっくり浸かりたい日 |
| 旭川高砂台 万葉の湯 | 長く居座れる、館内着・タオル付き | 24時間営業 | 夜遅くにゆっくりしたい日 |
個人的な使い分けは、多くの種類の温泉を楽しみたいなら高砂、長く居座ってくつろぎたいなら万葉。深夜キャンプから戻ってひと風呂、なんていう使い方ができるのは万葉の24時間営業ならでは。
観光|神居古潭まで足を伸ばす
カムイの杜のあるエリアは、旭川屈指の景勝地・神居古潭の入口でもあります。
神居古潭は石狩川の峡谷沿いに、旧国鉄の駅舎跡と吊り橋が残るスポット。車で15〜20分、24時間開放で駐車場も無料。アイヌの伝説が息づく場所で、川の音を聞きながら歩いていると、ここでも「ひとり時間」がじんわり満ちてきます。 ※遊歩道は未舗装で狭め、ヒグマの出没エリアでもあるので、散策は明るい時間帯に、足元はスニーカー以上で。
夜景まで楽しみたいなら、富沢のニコラ大橋展望塔(サンタプレゼントパーク)へ。土日の18〜21時限定・車1台有料ですが、旭川の夜景が一望できます。星空を見にカムイの杜へ来たなら、こちらの夜景もセットでどうぞ。
⑥行く前に押さえておきたい注意点
事前に知らずに行くと、現地で「あれ?」となりやすいポイントをまとめておきます。
- 焚き火・直火は禁止。火はガスコンロかBBQコンロで(自分も焼肉はこれで済ませました)
- ペットは放し飼い禁止。鳴き声などで周囲に迷惑がかかる場合は同伴不可
- 車はサイトに乗り入れ不可。荷物の搬入時のみ一時的に入れます
- キャンプ場を利用しない車中泊での駐車場利用は不可
- 夜10時就寝。夜9時以降は外で遊ぶのを控えるルール。スピーカー・カラオケ・発電機も禁止
- 連泊は7日まで。芝生保護のため、概ね3日ごとにテントの位置を変えること
- ゴミは受付で専用袋(20ℓ 50円)を購入して分別。回収時間は10〜11時と16〜17時
5月の冷え込みは本気で警戒を
これは経験者ほど油断しがちなポイント。北海道の5月は、晴れていても朝晩はかなり冷えます。日中の陽気につられて軽装で行くと、夜に後悔する。シュラフは冬用、芝生サイトなので朝露と底冷え対策のマットも必須です。装備チェックは抜かりなく。

⑦まとめ|ファミリー人気の場所をソロで使い倒す
おすすめ度:★★★★☆(4.0 / 5.0)
カムイの杜公園キャンプ場は、たしかにファミリーキャンプ場としての顔が強い。けれど駐車場の選び方と裏公園の使い方を知っているソロキャンパーにとっては、コスパも雰囲気もかなり優秀な選択肢です。

デイキャンなら500円、宿泊でも800円という料金、旭川市街地から20分のアクセス、清潔に保たれた施設、そして裏公園の静かな散策コース。これだけ揃って、市街地から近くて星空まで見られるキャンプ場はそうそうありません。
5月のオフピーク、または夏場でも工夫次第で十分快適に過ごせる場所。「街に近いけど自然も欲しい」というワガママを叶えてくれる、ソロキャンパーの隠れた定番候補として、一度は試してみる価値があります。
正直、ここは惜しい
良いところばかりではないので、正直なところも残しておきます。
- 焚き火ができない ── たき火・直火は禁止。焚き火が目当てなら別のキャンプ場を選んだほうがいい
- 車をサイト横に停められない ── 搬入後はリヤカー運搬。荷物が多いソロは事前の積載整理が必須
- 夏場は静けさを期待しにくい ── ソロで静かに過ごしたいなら、時期選びがすべて
この3つが許容できるなら、料金とアクセスを考えてかなり満足度の高いキャンプ場です。
こんな人におすすめ/不向きなのはこんな人
おすすめ
- 「完全な静寂」より「ほどよい人の気配」を求めるソロキャンパー
- 旭川市街地に近いキャンプ場を探している人
- 裏公園の散策など、テント外の時間も楽しみたい人
- 初心者でアクセスと施設の整った場所から始めたい人
- 星空を見ながらゆっくりしたい人
不向き
- 焚き火を楽しみたい人(禁止のため)
- 完全な静寂と人気のなさを求めるベテランソロ(特に夏場)
- 車中泊で安く済ませたい人(キャンプ場を使わない車中泊は駐車場利用不可)
- 車をサイト横に停めたいオート派
今回使ったギア
| ギア名 | 一言コメント | リンク |
|---|---|---|
| DOD チーズタープM | 日差しも急な雨も読めない5月。一枚で過ごしやすさが段違い | Amazonで確認する 楽天で確認する |
| DOD ソトネノサソイS | 朝露で下がしっとりする芝生サイト。 底冷えと湿気をまとめて防ぐ | Amazonで確認する 楽天で確認する |
| SOTO レギュレーターストーブ | 焚き火禁止なので火はガス頼み。風に強く焼肉もこれで足りた | Amazonで確認する 楽天で確認する |
| Feuerhand 276 | 一つ点すだけで夜のサイトの空気が一変する、ソロの相棒 | Amazonで確認する 楽天で確認する |
| snow peak リトルランプ ノクターン | テーブルに置くだけで一気に雰囲気が出る | Amazonで確認する 楽天で確認する |
| 蚊取り線香 | 煙があるだけでブヨや蚊の寄りつきが変わる | Amazonで確認する 楽天で確認する |
道内の他エリアも含めて場所選びから考えたいなら、北海道ソロキャンプ場おすすめ10選にソロ目線で選んだ場所をまとめています。
旭川近郊でもう一か所、気軽に行けるデイキャンプ向きの場所を探すなら、鷹栖町のパレットヒルズキャンプ場も候補です。
ファミリー人気の場所だからと敬遠していた人こそ、一度この記事を頼りに自分の足でカムイの杜を歩いてみてください。裏公園の静けさは、行った人にしか分かりません。